犬のくさいニオイが気になる!【部位別の原因と対策を紹介します】

「なんだかニオイが気になる」「自分では気づかなかったけど家に呼んだ友人から犬がくさいと言われた」 …そんな犬のニオイについて心配をおもちではありませんか。

 

そこで今回は、犬のくさいニオイが気になる方向けに、部位別の原因と対策についてご紹介します。

 

部位別・犬のくさいニオイの原因

犬のくさいニオイの原因はいったいなんなのでしょうか。ここでは、体・口・肛門・目元・耳・便・おならの7つにわけて、それぞれの原因を解説します。

 

1-1.体のニオイ

犬は人間と同様、2種類の汗腺「エクリン腺」と「アポクリン腺」をもっています。エクリン腺は主に足の裏にある、サラサラした汗の出る汗腺です。アポクリン腺は犬の全身にある汗腺で、ニオイの原因となる脂肪分の多い汗が分泌されます。

 

アポクリン腺から分泌された脂肪分の多い汗の酸化や雑菌が繁殖することで、くさいニオイが生じるのです。ヒトの場合は、アポクリン腺は脇などの限られた場所に存在していますが、犬の場合は全身にアポクリン腺があるため、ニオイが気になりやすくなります。

 

1-2.口のニオイ

口のニオイは、歯周病に由来することが多くあります。口の中に残った食べカスを餌に、細菌が口内で繁殖すると、歯垢(細菌が集まったもの)や歯石(歯垢が固くなったもの)が生じます。アンモニア臭や変わったニオイがする場合は、腎臓や肝臓の病気により、老廃物の分解や体外への排出ができなくなっている可能性もあるでしょう。

 

1-3.肛門のニオイ

肛門のニオイは、肛門腺と呼ばれる、動物の肛門周辺にある臭腺から生じるニオイが原因です。肛門腺はアポクリン線の一種ですが、袋状の構造をもち、中に強いニオイを放つ分泌液がたまるようになっています。小型犬などは自力ではこの分泌液を排出できずに、肛門腺にたまりすぎてしまうこともあります。さらにたまった分泌のニオイが肛門腺から漏れ出すと、くさく感じるのです。

 

1-4.目元のニオイ

涙やけ(涙の分泌過剰や排泄不良により、あふれた涙で目元周辺の毛が変色する現象)の生じている部分は雑菌が繁殖しやすく、ニオイの原因となることがあります。また目ヤニがたまっていても、雑菌が繁殖しやすくなるため、同様に気になるニオイが発生します。

 

1-5.耳のニオイ 

外耳炎などの原因で耳垢のニオイが気になる場合があります。とくに垂れ耳の犬種の場合、耳の中が蒸れやすく、耳の中で繁殖した細菌がニオイの原因となることも珍しくありません。

 

1-6.便のニオイ

少なからず便からはイヤなニオイがします。ただし普段よりも強烈なニオイがする場合は、腸内環境のバランスが崩れて、悪玉菌が増えている可能性を疑ったほうがいいでしょう。悪玉菌は食べ物の分解時にイヤなニオイを発生させるため、悪玉菌が増えると便のニオイも強くなります。

 

1-7.おならのニオイ

タンパク質の多い食事の場合、分解時に発生するガスでおならがくさくなります。また、腸炎などの病気がある場合も、消化不良や下痢により、くさいニオイとして症状が出てくることがあります。

 

犬のくさいニオイの対策

ここからは、ニオイを改善する対策について紹介します。

 

2-1.シャンプー

体のニオイ対策として、まずはシャンプーが有効です。犬用の薬用シャンプーを使い、1か月に1回程度を目安に定期的に実施しましょう。ただし頻繁に洗いすぎると、肌の乾燥を防ぐのに必要な脂分まで洗い流されてしまい、余計に脂を分泌するようになってしまったり、皮膚病になったりする危険があるため注意が必要です。

 

またシャンプーの後のドライヤーにも注意が必要です。とくに毛の長い犬種では、毛に余計な水分が残った状態だと雑菌が繁殖しやすくなり、くさいニオイがまた発生してしまいます。時間はかかりますが、時間をかけて丁寧に乾かしてあげるようにしましょう。

 

2-2.ブラッシング

シャンプーは頻繁にはできない方法であるのに対し、ブラッシングはこまめにできる体臭対策です。ブラッシングで表面の無駄毛やほこり、汚れを除去すると体表の風通しがよくなり、蒸れにくくなるため雑菌の繁殖も抑えられ、くさいニオイの対策ができます。

 

犬種によって、換毛期がある種類とない種類に分かれますが、どちらの犬種も、ブラッシングは有効です。換毛期がある種類は、抜けた毛が体表にとどまることで生じる、蒸れや雑菌の繁殖を防止するのにブラッシングが必要です。換毛期のない種類では、毛が絡まりやすく、毛についた汚れも残りやすいため、定期的なブラッシングで毛をとかしてきれいにしてあげましょう。

 

2-3.歯磨き

口臭対策には、歯磨きを実施しましょう。歯ブラシのほか、犬用のデンタルガムのような、おもちゃやおやつとして使用できるものもあります。歯磨きに慣れない犬には、歯ブラシの代替として使用するとよいでしょう。

 

歯垢は歯磨きによって除去できますが、固まった歯石は、歯磨きでは落ちなくなってしまうため、2~3日に1回の歯磨きをおすすめします。自力の歯磨きでは除去できない歯石や、炎症などの症状がある場合は、動物病院で見てもらうようにしましょう。

 

2-4.目元の拭き取り

目元のニオイ対策には、目元周辺の目ヤニや涙で濡れた部分を拭き取り、清潔にする方法が有効です。 綿棒やガーゼ、ウェットティッシュで優しく拭き取るようにしましょう。

 

目ヤニが固くて拭き取りにくい場合は、無理に力を込めると、目を傷つける恐れがあります。濡れタオルでふやかしてから拭き取るか、ペットショップなどで売られている専用のローションを使って、取るようにしましょう。目元近くの作業となるため、誤って道具やローションが目に入らないように気をつけてください。

 

2-5.肛門腺しぼり

肛門のニオイの対策として、肛門腺をしぼるように圧迫し、肛門腺にたまった分泌液を出してあげましょう。

 

肛門腺は、肛門の右下と左下の2箇所あり、分泌液がたまっているとコリコリとした感触があります。肛門まわりをつまみ、しぼり出すようにすると、たまった分泌液が出てきます。ただし力を入れすぎると誤って肛門腺や肛門を傷つけてしまう恐れもあるため、慣れないうちは動物病院やトリマーに相談し、肛門腺の場所や方法を見ながら覚えるのがいいでしょう。

 

2-6.耳垢の掃除

耳のニオイ対策には、耳まわりの耳垢の除去が有効です。耳をめくって、見える範囲に耳垢があれば、湿らせたコットンで拭き取りましょう。注意点としては、力を入れすぎたり、耳の奥まで綿棒を入れたりしないように気をつけましょう。耳に傷をつけてしまい、病気になってしまう可能性があります。

 

2-7.食事の改善

便やおならのニオイを改善するには、食事を見直しましょう。消化不良がくさいニオイの原因となるため、食物繊維を多く含むものは避け、消化のよいフードに変えるのが有効です。またタンパク質が多すぎないか、栄養バランスも見直してみましょう。

 

まとめ

今回の記事では、犬の気になるニオイについて、部位別の原因やそれぞれの対策を紹介しました。日々のお手入れや食事などで改善できることもありますが、病気の疑いもある場合は、症状が悪化する前に、お近くの動物病院に行ってみてください。

 

西武立川駅から徒歩5分の動物病院「すみれペットクリニック」でも、歯石除去などの口臭対策を含め、さまざまな診療・相談を受けております。ニオイのほかにも何か心配な症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

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