犬にしこりがあるときは腫瘍の可能性あり? 原因や治療法など解説

犬にしこりができるのは、病気の可能性が大きいといえます。健康な犬にはしこりができないからです。しこりは腫瘍の可能性も高く、気づいたらすぐに処置が必要です。また腫瘍には良性と悪性があり、素人には判断しづらいでしょう。どちらか判断するためにも、しこりができたらすぐに病院に連れて行きましょう。

 

今回は犬にしこりができる理由や、治療法などを解説します。

 

犬にしこりができる理由は?

しこりは触るとわかりますが、状態によってぶよぶよしている・なんとなく感じる塊を指します。皮膚の表面にできものとして、現れることもあるのです。しこり自体は痛みがないため、気づかないことも多いでしょう。ただしこりが炎症をともなうと痛みが出るうえに、犬も違和感を覚えることがあります。

 

しこりが問題になる理由は、腫瘍の可能性が高いからです。一言で腫瘍といっても悪性と良性があるので、どちらにあてはまるのかも重要です。悪性腫瘍はガンなので、早急に対処しないといけません。

 

1-1.腫瘍ができている可能性

しこりができる第一の原因は、腫瘍ができている可能性です。脂肪腫は犬もかかりやすいものの、ほとんどの場合が良性です。ただ乳腺腫瘍などメス犬に多い腫瘍は、悪性(ガン)の可能性が高く、注意が必要といえます。

 

またオス犬に多いのが肛門まわりの腫瘍ですが、良性がほとんどなのであまり心配いりません。ただしこりが悪性なのか良性なのかは、素人には判断しにくいものです。しこりは病気にかかっているときにしか現れません。もししこりができた際には、かならず病院を受診しましょう。

 

1-2.炎症を起こしている可能性

細菌に感染して、炎症がみられる場合もあります。多くの場合膿がそのまましこりになりますが、大きくなると破裂してしまい危険です。炎症が原因の場合、しこりも痛みをともないます。

 

また老犬に多い、歯根膿瘍の可能性もあります。炎症でできるしこりは固くならず、ぶよぶよするものです。膿だけが原因とは限らないので、こちらもすぐに病院を受診するのがおすすめです。

 

1-3.女性ホルモンが影響?

メス犬に多い乳腺腫瘍はホルモンが影響するともいわれますが、はっきりした原因はわかっていません。よく避妊手術を受けたメス犬の方が、かかりにくいといわれています。しかし実は、何回目の発情期の段階で手術を受けるのかが重要です。最初の発情期を迎える前に手術を受けないと、腫瘍にかかる可能性は高くなります。

 

しこりに関連する病気はなに?

しこりがみられる場合は、ほぼ間違いなくなにかの病気にかかっています。腫瘍には良性や悪性があり、病気にかかっていても経過をみるだけでよい場合もあるのです。ただしこりができたら、自分だけでの判断は危険です。動物病院を受診して、病名をはっきりさせましょう。

 

2-1.メス犬の乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は避妊をしていないメス犬に多い病気です。おおよその場合10歳頃のメス犬が発症しますが、若いうちに発症することもありえます。またあまりみられないものの、オス犬がかかる可能性もあります。

 

乳腺腫瘍の半分は良性ですが、もう半分は悪性の可能性が高く予断を許さない状況です。放置するとリンパなどに、転移することもあります。乳腺にしこりを感じたら、すぐに病院に連れて行きましょう。

 

2-2.脂肪腫瘍の可能性大

脂肪腫瘍は犬がかかりやすい病気のひとつですが、ほとんどの場合良性です。1個だけの場合が多いものの、ときには複数個の腫瘍ができます。触るとやわらかく、背中や太ももなど脂肪が多い場所にできやすい腫瘍です。

 

ただ似た病気に脂肪肉腫があり、こちらは悪性なのですぐに処置が必要です。また脂肪腫瘍と脂肪肉腫は、見た目で判断できません。どちらにしてもやわらかいしこりができたら、すぐに病院に連れて行きましょう。

 

2-3.オス犬に多い肛門腫瘍

オスの犬に多いのが、肛門まわりの腫瘍です。こちらも良性であることが多く、心配はいりません。ただし雄性ホルモンの影響を受けやすく、未去勢の犬は腫瘍が大きくなります。良性だからと放置していると、犬の排尿が困難になるなどの問題も出ます。肛門まわりに腫瘍ができた際には、状況に応じて受診をしましょう。

 

2-4.悪性リンパ腫の可能性も

しこりが悪性リンパ腫の可能性もあります。「多中心型」に分類されるしこりでは、体の表面が腫れることでみつかります。痛みもないため犬自体も気づきにくいものの、小さなしこりを感じたら受診がおすすめです。

 

発見が遅れるごとにガンのステージも進んでしまい、非常に危険な状態になってしまうでしょう。小さいしこりなので気づくのも遅れがちですが、悪性の腫瘍なのでみつけたらすぐに病院に連れて行きましょう。

 

2-5.イボは良性腫瘍?

しこりのなかでも「イボ」と呼ばれる乳頭腫は、良性なので心配いりません。老犬に多く体の表面にできるしこりですが、痛みもなく放置しても問題ないといえます。急に大きくなればなにかの病気の可能性もありますが、老犬なら1個や2個はあるのが普通です。

 

犬にしこりができたときの治療法は?

犬にしこりができたときは、まず腫瘍かどうかの検査をします。検査なしでは、良性か悪性かの判断はできません。状況に応じて腫瘍を取り除き、検査します。

 

3-1.炎症に対する治療法は?

炎症が原因でしこりができたときには、抗生剤を投与するか洗浄すれば治ることも多いのです。ただし外傷が原因の場合や歯石の細菌感染などには、抗生剤が効かない場合もあります。炎症による腫瘍は痛みをともなうので、気づいたら病院で検査してもらいましょう。

 

3-2.腫瘍で行われる治療内容

しこりが腫瘍によるものなら、手術で切除しないといけません。しこりの原因が良性か悪性か判断するためにも、切除して検査が必要だからです。ただ切除手術は犬に負担が大きく、老犬だと難しい場合もあります。良性なら経過をみられますが、悪性だとそうもいきません。どちらにしても腫瘍の可能性が高いので、すぐに病院を受診しましょう。

 

しこりはどんな検査を受ければいい?

犬のしこりが悪性腫瘍の可能性もあります。獣医師によくすすめられる検査は、「針生検(FNA)」です。しこりに細い注射針を刺して、採取した細胞を検査する方法で、麻酔がいらないことが特徴です。

 

ただ検査で悪性だった場合は切除が必要になり、飼い主にも犬にも負担が大きくなります。そのため重症化する前の検査がおすすめです。

 

まとめ

今回は、犬にしこりがある場合の原因やかかる可能性のある病気などまとめました。飼い犬のしこりの原因など疑問は、さまざまな可能性を考えたうえで向き合うことが大切です。しこりは健康な犬には現れない症状なので、もししこりに気づいたら早めに病院を受診しましょう。

 

しこりができた場合には手術が必要な場合もあります。気になったときにはぜひとも、「すみれペットクリニック」にご来店ください。診断や手術など適切な処置をして、不安を取り除くお手伝いをします。まずはお気軽にご相談ください。

ページ上部へ