犬の血尿は病気の可能性がある? なぜ出るのか原因や予防法など解説

犬の血尿はオスとメスで原因や症状が変わります。メス犬の場合は避妊しているかどうかもチェック対象です。対してオスの場合は病気の可能性が高いでしょう。

 

どちらにしても判断に迷ったら、手遅れにならないうちに動物病院に連れて行きましょう。また病気にかからないように普段の生活を改めることも飼い主の義務です。

 

メス犬の血尿は避妊の有無で確認

犬の血尿でもすべてが病気につながるわけではありません。たとえばメス犬の場合、発情期に出血することがあります。メス犬は発情期になると陰部から出血するので、それが血尿として出ます。元気がない、食欲不振なども起こりますが、病気ではありません。発情期の血尿は病気ではないので、安心してください。

 

発情期の血尿は、メス犬が自分でなめて治すことが多いでしょう。ただどうしても血が気になるようならおむつをつけてあげましょう。

 

1-1.避妊なしの若い犬

避妊を済ませていない若いメス犬が血尿を出すときは、子宮蓄膿症の可能性があります。吐く、元気がないように見える、食欲がないなどの症状が現れたときには病院に連れて行きましょう。

 

血の混じった膿が陰部から出るときもありますが、これは血尿ではありません。どちらにしても命の危険があるので、早急に手術が必要です。

 

1-2.避妊済みの若い犬

避妊済みの若いメス犬が血尿を出すときは、膀胱炎の可能性が高いでしょう。外傷や擦り傷などによる細菌感染、過度のストレスなどが原因です。膀胱炎にかかると食欲が減る、元気がないなどの症状は現れません。ただ血尿や頻尿などの症状が出るので、わかりやすいでしょう。放置すると取り返しがつかなくなるので、すぐに病院を受診しましょう。

 

1-3.メスの老犬の場合

避妊なしのメスの老犬が血尿を出すのは、膀胱腫瘍の可能性があります。この腫瘍は悪性のもので「移行上皮癌」と呼ばれます。血尿が多く出たり、頻尿、排尿が難しくなったりするなどの症状が出た場合は膀胱炎も疑いましょう。膀胱腫瘍に気づかないとさらに悪化して、急性腎不全なども起こります。早めに病院に連れて行き、手術が必要です。

 

オス犬の血尿は病気の可能性大

オス犬の血尿は病気にかかっている可能性が高いでしょう。とくに前立腺などに異常が見られる場合も多いので、気になったときはすぐに病院に連れて行きましょう。

 

前立腺の異常による病気には「前立腺腫瘍」や「前立腺炎」「前立腺肥大」などがあります。とくにオスの老犬は前立腺の病気を起こしやすいので、血尿が出たときにはチェックしてみましょう。

 

2-1.前立腺に異常

オス犬の血尿のほとんどは前立腺肥大によるものです。前立腺肥大はとくに老犬に多く、元気があっても血尿や頻尿などの症状が出ます。前立腺が大きくなると排尿もうまくできなくなり、尿道がふさがる危険もあります。もし前立腺肥大が起きた場合は、すぐに去勢手術やホルモン剤を与えるなどの処置が必要です。

 

また前立腺炎の場合は、細菌に感染することが原因で白いおしっこや血尿が出ます。めったにないことですが、前立腺腫瘍になることもあります。もし前立腺に腫瘍ができる場合は、悪性腫瘍なのですぐに病院に連れて行きましょう。

 

犬の血尿が原因となる病気はなに?

犬が血尿を出したときはオスとメスで原因が違います。もし動物病院に連れて行く必要ができたら、血尿の状態をしっかりと獣医師に伝えましょう。できれば採尿を行えばより原因がわかりやすくなります。採尿ができない場合は、血尿が出たときの写真や動画を医師に見せるのもおすすめです。

 

3-1.膀胱に異常があるかも?

犬の血尿が膀胱の異常にある場合は、粘膜が炎症を起こしている可能性が大きいです。膀胱炎の原因は細菌に感染した、膀胱に結石などがあります。膀胱炎にかかった場合は抗生剤でも治りますが、繰り返し起こる場合などは手術が必要です。

 

またストレスも膀胱炎の原因です。発熱が起きていないかなど普段からチェックしましょう。

 

3-2.尿道の病気が関係しているかも

犬の血尿は尿路結石が原因の場合が多いでしょう。石で尿路が傷つくことで、尿に血液が混じります。腎臓や膀胱に結石ができると、血尿の量が増えます。結石ができたかどうかは見た目でもわかるので、尿に小さい石が混ざっていないか確認してみましょう。結石を放置すると腎臓にも被害が出るので、早めに病院を受診してください。

 

3-3.腎臓の病気が関係しているかも

尿路に結石ができると腎臓にも負担がかかり「急性腎不全」にかかる可能性もあります。腎不全にかかると血尿の量も多くなり、同時に下痢や血便なども出るでしょう。

 

また犬がネギを食べて中毒にかかると、腎不全が発症する可能性もあります。腎不全は死に至る病のひとつです。もし「腎不全では?」と思ったときは、すぐに病院に連れて行きましょう。

 

犬の血尿に予防法はある?

犬の血尿を防ぐには、普段の生活習慣を改めることが大切です。とくに尿路結石などは細菌に感染しないように免疫力を高める必要があります。腎臓に負担がかからないように食事を見なおす、ストレスを減らして免疫力を高めるなど、まずは毎日の習慣を変えてみましょう。

 

犬には尿路結石などの疾患にかかりやすい種類もいます。ときにはサプリメントや食事療法などを実施し、そもそも病気にかからないように予防策を立てましょう。また一番簡単な予防法として水分を多めに与えるのも効果的です。もし水が苦手な犬なら、スープを飲ませるなどできることはしてあげましょう。

 

まとめ

犬の血尿の原因はオス犬かメス犬かでも違います。ただどちらにも言えるのは病気の可能性があることです。とくにオス犬は病気に直結することが多く、メスよりも気をつけないといけません。メス犬の場合は避妊しているかもチェックの対象です。もし自分で確認が難しいときはすぐに動物病院に連れて行きましょう。

 

犬が血尿を出してどうしようか迷ったときには、ぜひ「すみれペットクリニック」にご来店ください。犬の血尿の原因を突き止め、最適な治療法の提案をいたします。

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