犬の抜け毛が多いのは病気?抜け毛が少ない犬と多い犬の違いなども解説

犬の種類によっては、抜け毛が少ない種と多い種がいます。まずは飼い犬がどの種類の犬なのか、確認が必要です。もし抜け毛が多い犬でないのに多量に抜け毛が出た場合は、なんらかの病気にかかっている可能性もあります。脱毛などの症状が現れたときは、すぐに病院に行きましょう。

 

大量の抜け毛は病気かも?

犬の抜け毛が換毛期やブラッシング不足に原因があるなら、さほど問題ありません。ただし抜け毛が多すぎるときは病気の可能性もあります。人間と同じように犬にも脱毛症がありますし、ほかの病気かもしれません。抜け毛が多い犬と少ない犬もいますので一概にはいえませんが、ダブルコートでない犬種なのに抜け毛が多いときは病気も疑ってみましょう。

 

1-1.脱毛症の可能性

抜け毛が多い理由は、脱毛症かもしれません。犬がかかる脱毛症には「黒色被毛脱毛症」や、「パターン脱毛症」「側腹部脱毛症」「淡色被毛脱毛症」などがあります。多くの場合は遺伝によるものであり、黒や茶色など毛の色がしっかりと育たない病気です。とくにチワワやダックスフンドはパターン脱毛症が多くみられ、犬の種類によってかかりやすい病気は異なります。

 

1-2.クッシング症候群の可能性

犬の抜け毛が副腎皮質の病気の可能性もあります。たとえばクッシング症候群は、コルチゾールと呼ばれるホルモンの過剰分泌が原因です。左右両方に脱毛することが多く、ステロイドを取りすぎると同じ症状が起きます。もしなにかの病気でステロイドを使った場合は、脱毛症になる可能性が高いでしょう。

 

1-3.抜け毛は皮膚炎かも

犬の毛が抜ける理由として皮膚炎の可能性もあります。犬がかかる皮膚炎の原因は「カビ」「細菌」「寄生虫」などです。カビの場合は、「マラセチア皮膚炎」にかかっている可能性が高いので、注意しましょう。

 

また寄生虫はツメダニによる脱毛が起きやすく、ブドウ球菌の異常発生でも抜け毛が多くなります。普段から掃除を心がけ、皮膚炎が発生しない環境を作ることも大切です。

 

抜け毛が多い犬と少ない犬がいる?

抜け毛が多い犬と少ない犬がいますが、違いは毛の種類です。犬も人間と同じで抜け毛が多い周期があり、そのタイミングが犬ごとに違います。掃除をこまめにしていても、犬の抜け毛に悩まされる飼い主は多いでしょう。もしこれから犬を飼うのなら、抜け毛が多いのか少ないかも知っておけば、対策もたてられます。

 

2-1.抜け毛が多い犬は?

抜け毛が多い犬の種類には、たとえば「柴犬」や「ポメラニアン」、「ゴールデン・レトリバー」などです。抜け毛は換毛期に発生しますが、これらの犬は大量に毛が抜けるので普段の掃除も大変です。抜け毛対策としてブラッシングをこまめにするなど、対策をたてておきましょう。

 

2-2.抜け毛が少ない犬は?

抜け毛が少ない犬の種類には、「マルチーズ」や「パピヨン」「トイ・プードル」「ヨークシャーテリア」などがいます。アンダーコート(下毛)が抜ける換毛期がなく、抜け毛に悩まされにくい犬種です。

 

とくに抜け毛が少ない犬はトイ・プードルですが、毛が丸まりやすいのでブラッシングは欠かせません。また抜け毛の処理がなくても毛は生えてくるため、適度なトリミングも大切です。

 

犬の毛が抜けるメカニズムと原因

犬の毛が抜けるのは気温や、日照時間が影響しています。とくに1日の日の長さが影響しており、換毛期が年に二度あるのはそのためです。また犬の毛皮にはダブルコートとシングルコートがあり、シングルコートには換毛期がありません。なぜ犬の毛が抜けるのかの仕組みと原因を知っておけば、どの時期にお手入れが必要なのかがわかるでしょう。

 

3-1.換毛期の抜け毛は安心

犬には換毛期が5月から7月の春と、9月から11月の年に2度あります。犬の種類によって期間は違いますが、たいていの場合は1ヶ月ほどで生え変わりは終わります。春の換毛期になると、密集した毛(アンダーコート)が抜け、夏に向けて通気性のよい毛皮に変わるでしょう。秋や冬には夏に生えた毛が抜け、あたたかい毛にとチェンジします。換毛期があるのはダブルコートの犬だけです。

 

ただし換毛期は、この時期という決まりはありません。日本は東西に長いので季節の移り変わりも異なります。そのため、地域によって換毛期も違いがあります。また、室内か屋外で飼われているかでも違いが出るでしょう。

 

3-2.ブラッシングの不十分が原因

抜け毛が多くなる原因は、毎日のブラッシングが不十分な可能性もあります。ブラッシングをしたら余計毛が抜けるイメージもありますが、こまめなブラッシングは抜け毛対策に有効です。飼い犬とのスキンシップもできるので、できればブラッシングは毎日行いましょう。ブラシやコームなどは抜け毛対策用に用意しておくのがおすすめです。

 

3-3.オーバーとアンダーの毛質の違い

犬のなかには毛皮があまりない種類もいますが、たいていの場合は体全体を毛皮が覆っています。毛皮は大別すると「オーバーコート(上毛)」と「アンダーコート(下毛)」に分かれます。オーバーコートは太くて長い毛で構成されており、アンダーコートは短くてやわらかい毛です。オーバーコートのほうには皮膚の保護の役目があり、アンダーコートのほうは保温の役目があります。

 

3-4.シングルとダブルの違い

犬の毛にはオーバーとアンダー以外にも「シングルコート」と「ダブルコート」があります。シングルはアンダーコートをもたず、オーバーコートだけをもつ犬の種類です。対してダブルコートは、オーバーとアンダー両方をもつ犬の種類を指します。

 

人間はひとつの毛穴から1本の毛しか生えません。ただしダブルコートの犬は、ひとつの毛穴からアンダーとオーバーの2種類の毛が数本生えます。ダブルコートの犬の抜け毛が多い理由も、納得ですね。

 

抜け毛放置は人間にも悪影響

犬の抜け毛は放置すると、ノミやダニの温床になったり、毛玉ができやすくなったりします。毛を面倒くさいからと放置すれば、犬だけでなく人間にも悪影響が出ます。ノミやダニは脱毛の原因にもなるので、掃除はこまめに行いましょう。もし掃除をするなら毛が舞い上がるほうきなどは使わず、掃除機で吸い取るのがおすすめです。

 

まとめ

今回は犬の抜け毛について解説しました。犬の抜け毛が多いときは、病気の可能性もあり危険です。また、犬は抜け毛が少ない種と多い種がいます。飼い犬がどちらの種類なのかも確認しておくと、抜け毛の出やすい期間もわかります。犬を病気にしないためにも、抜け毛はしっかりと処理しましょう。

 

抜け毛が多い犬の病気が心配になったときは、一度「すみれペットクリニック」にご来店ください。安心な抜け毛なのか、病気なのかを診察し、対策方法などのお手伝いをします。

ページ上部へ