猫の咳の原因は?咳の症状が出る猫の病気を解説します

飼っている猫が咳をするようになったら、病気にかかっているのではないかと不安になりますよね。まずはその咳が本当に咳なのかを、確かめてみましょう。本記事では、咳とくしゃみ、逆くしゃみの見分け方を挙げています。そして咳であった場合に疑われる病気を5つご紹介していますので、病気が疑われる場合は動物病院へご相談してみましょう。

 

その咳は本当に咳?~「咳」と「くしゃみ」と「逆くしゃみ」の見分け方~

まずは猫の咳が、本当に「咳」と呼ばれるものかを確認してみましょう。

 

1-1.音が出るときに、頭を振っていたら「くしゃみ」

咳とくしゃみの見分け方は簡単です。音が出るときに、人間のくしゃみのように、頭を振っていれば「くしゃみ」です。くしゃみの原因は、ほこりなどが入ったときに起こる生理現象か、猫風邪などの可能性があります。猫風邪は咳もともなうことが多く、のちほど詳しく解説いたします。ただし、くしゃみも一時的ではなく、長期間続くようでしたら、動物病院へのご相談がおすすめです。

 

1-2.音が出るときに、頭を振らないなら「咳」か「逆くしゃみ」

咳と逆くしゃみの見分け方は少し難しいものですが、音が出るときのタイミングを確認しましょう。「咳」は息を吐きだすときに出るので、お腹がへこんだときに音が出ます。「逆くしゃみ」は息を吸うときに出るので、お腹が膨らんだときに音が出ます。

 

また、姿勢やしぐさも見分けるポイントになるでしょう。「咳」の場合は、頭を下げてのどを伸ばすように顔を突き出します。これは横隔膜を収縮しやすくして、空気をより多く外に出すためです。このとき、口から舌が少し出ており、「ゲホゲホ」というような乾いた音を出すことが多いでしょう。「逆くしゃみ」の場合は、おさまったあと、なにかを飲み込むようなしぐさをみせます。

 

1-3.そもそも「逆くしゃみ」とは?

普通のくしゃみが息を思い切り吐きだすのに対して、逆くしゃみは空気を思い切り吸い込みます。逆くしゃみは、鼻の奥に違和感があるときや、冷たい空気を吸ったときなどあらわれる生理現象です。通常、1分程度でおさまり、とくに問題ありません。

 

しかし、「咳」と「逆くしゃみ」の区別が難しい場合、「逆くしゃみ」だと思っていたら「咳」だった場合もあり、病気の発見が遅れることもありますので、動物病院へご相談するのがよいでしょう。

 

咳の症状が出る病気

やはり猫が咳をしていると判断されたら、次は咳が長時間続くかどうかの確認が必要です。もし咳が一時的なもので、咳のあとも元気そうにしており、ほかの体調不良や見た目の変化がない場合は、しばらく様子をみていいでしょう。ほこりを吸ってしまったときや、早食いしてしまったことによる生理現象が原因かもしれません。

 

咳が長時間続く場合や、発作後も不調がみられる場合、病気の可能性があります。どのような病気が疑われるかをみていきましょう。

 

2-1.猫風邪(上部気道感染症)

猫風邪は咳のほか、くしゃみや鼻水、涙が出るなどの、人間の風邪のような症状が出る病気です。ウイルスや細菌の感染によって起こります。厄介なのは、一旦この猫風邪が治ったとしても、ウイルスは体内に残り続けるという点です。そのため、猫風邪に一度でもかかってしまうと、治ったあとも免疫が落ちているときなどに再発してしまいます。

 

2-2.肺炎

肺に炎症が起きている状態です。猫風邪と同じく、ウイルスや細菌の感染が原因となることが多いものですが、異物の誤飲なども原因になることがあります。元気がない、食欲がない、発熱などの症状も一緒に出てきます。肺炎になると免疫力が低下するため、子猫や高齢の猫はとくに注意が必要です。

 

2-3.猫喘息

気管支に炎症が起きて、気道が狭くなっている状態です。原因は詳しくわかっていませんが、たばこや芳香剤、花粉、ハウスダストなどに反応して起こるといわれています。猫喘息は一度かかると治りにくい病気です。

 

2-4.肥大型心筋症

心臓の筋肉が分厚くなり、全身に血液を送るポンプのような心臓の役割が衰えてしまう病気です。猫の心臓の病気でもっとも多いとされている病気です。肥大型心筋症も原因は詳しくわかっていませんが、遺伝やウイルスの感染が原因ではないかといわれています。肥大型心筋症が進行すると、咳の症状が出てきます。

 

2-5.毛球症

猫がグルーミングのときに飲んだ毛がなんかの理由で排泄できず、胃などのなかで大きな固まりになっている状態です。毛玉を吐こうとして咳が出るときがあります。何度も吐こうとすると、逆流性食道炎が引き起こされることもあります。また、毛玉が胃のなかで大きくなりすぎて胃を刺激したり、手術で毛玉の摘出が必要になったりする場合もあるでしょう。

 

病院に行くまでに飼い主さんができること

咳が長時間続く、または咳は一時的だったものの元気がないようにみえるという場合は、上記に挙げた病気の可能性があります。至急、お近くの動物病院へ行きましょう。ここでは病院に行くまでのあいだ、愛猫さんのために飼い主さんができることをいくつかご紹介します。

 

3-1.記録をとっておく

咳をしはじめたときの状況や、咳のほかにどのような体調変化があったかなどを記録しておくと、より正確な診断ができることがあります。また飼い主さんは心苦しいかもしれませんが、咳をしているときの動画を撮影しておくと、咳をしているときの様子がわかったり、咳かどうかの判断材料になったりします。可能であれば撮影しておくといいでしょう。

 

3-2.ストレスを減らしてあげる

免疫が低下している状態かもしれないので、ストレスをなるべく少なくしてあげましょう。また、猫喘息の場合は、たばこや芳香剤などが原因かもしれません。換気をして、原因と考えられるものをできるかぎり取り除いてあげましょう。

 

まとめ

愛猫が咳かな?と思ったら、まずは咳かどうかを確認してみましょう。そして咳が長期間続いたり、元気がなかったりする場合は深刻な病気も考えられますので、至急、動物病院へご相談をおすすめします。さらに、実際の診察までのあいだ、咳をしはじめたときの状況や、咳の様子の記録ができるといいでしょう。

 

咳をしている様子をみていると、苦しそうで心配になりますよね。猫は人間と違って、どういう理由で咳が出ているのか、なにがつらいのかを自分で伝えられません。そのため、私たち動物病院のスタッフが、愛猫さんのサインに気づき、少しでも早く苦痛を取り除く必要があります。すみれペットクリニックでも、さまざまな病気の診察に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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